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DAOって何?DAO TOKYO2023のセッションから学ぶ

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DAO(Decentralized Autonomous Organization)自立分散型組織って何?わかりやすく教えて

そんな疑問にお答えします。この記事ではDAO TOKYO 2023年にて行われたいくつかのセッションの内容の要点をまとめたので、紹介します。

DAOという言葉はWeb3に関心のある方ならよく耳にする言葉だと思いますが、その中身については上下関係のない組織みたいな漠然とした理解に留まっている私のような人が多いかもしれません。

そこで、少しでもDAOについての理解を深めるために、2023年に開催されたDAO TOKYO2023年のセッションの内容のポイントのみをまとめてみました。

なお、DAO TOKYO2024が2024年の8月21,22日に東京で開催されます。

目次

◾️DAO TOKYOとは?

DAO TOKYOとは?
Screenshot

DAO TOKYOは、アジア最大級のDAO(分散型自律組織)に特化したグローバルイベントです。DAOに関心のある全ての人々にとって、最新の知識を得て、グローバルなネットワークを構築できる貴重な機会となっています。以下にその主な特徴をまとめます:

DAO TOKYOイベント概要

  • アジア最大規模のDAOに特化した国際的なイベント
  • 世界各国からトップクラスのDAO専門家やコントリビューターが参加
  • 2024年は2日間にわたって開催予定
  • 開催場所は神田明神で、最大1,000名の参加者を見込む
DAO TOKYOとは?
Screenshot

イベントの特徴

  • 参加型イベント: 単なるカンファレンスではなく、参加者全員で作り上げるコミュニティイベント
  • 高品質なコンテンツ: 世界トップのコントリビューターが集結し、最先端の知見やインサイトを提供
  • 東西の融合: 欧米とアジアのDAOコントリビューターが交流し、エコシステムの多様性を推進
  • 実践的な内容: トークン発行やトレジャリーマネジメントなど、実用的なテーマを扱う
  • アートとの融合: DAOやWeb3とアート、カルチャーを融合させた新しい体験を提供

目的と意義

  • 世界各地のDAOコントリビューターが集い、アイデアを交換しコラボレーションを進める場を提供
  • DAOの発展を共に探求し、業界の専門家、投資家、メディア関係者など多様な参加者が集結
  • アジアを代表するDAOイベントとして、参加者にネットワークを深める機会を提供

◾️⛩Session1⛩ What does DAO mean to you?(あなたにとってDAOはどんな意味があるのか?)

1)パネリスト

  • Shagun Karki: Make Ravesの創設者であり、Web3および新興技術企業向けのPRエージェンシーを運営。今回のセッションの司会を担当。
  • Denison Bertram: Tallyの共同創設者兼CEO。TallyはDAOの運営プラットフォームを提供。
  • Clem: Safeでプロダクトリードを担当。Safeはイーサリアム上のセルフカストディインフラを構築。
  • Ken: Uniswap Foundationのメンバー。Uniswapプロトコルのガバナンスや技術的な側面で活動。
  • Stani Kulechov: Aaveの創設者兼CEO。Aaveは非中央集権的な金融プロトコルで、後にLensプロトコル(分散型ソーシャルメディアプロトコル)も開発。
  • James Waugh: Fire Eyesの創設者。ガバナンス構造の構築やイーサリアムのコミュニティの成長を支援。

2)司会者の質問と参加者の回答の要約:

以下は、要点をまとめたものです。

  1. DAOの創設動機と従来の組織との違い
  • スマートコントラクトの登場がDAOを生み出した
  • DAOの特徴:
  • 非階層的構造
  • 大規模グループの協力による目標達成
  • 従来の組織構造の問題点:
  • インターネット普及前に設計
  • 分散型技術の登場で時代遅れに
  • DAOの目的:
  • 所有権と意思決定の開放
  • 組織の公平性と透明性の向上

2. 分散型アプローチの重要性

  • DAOの役割:
  • インターネットを介した価値の共同管理
  • 公共財としての機能
  • DAOの利点:
  • 平等な経済的機会と社会参加の促進
  • 透明性の提供
  • プロトコルのガバナンスへの参加

3. DAOにおける分散型意思決定の達成方法

  • 課題:
  • ミッションに対する合意形成の複雑さ
  • 短期的利益vs長期的視点の調整
  • 必要なもの:
  • 多くの話し合い
  • 適切な構造とツール
  • 効果的な協力と意思決定のための環境整備

4. DAOに適した組織やイニシアティブ

  • 適している組織例:
  • 協同組合
  • マーケットプレイス
  • DAOの利点:
  • 所有権の再分配
  • ビジネス運営の透明性向上
  • 長期的インセンティブの一致
  • 今後の可能性:
  • 新しい組織形態のDAOモデルへの適応

5. DAOによる社会的・環境的インパクト

  • 主な効果:
  • 個人へのエージェンシー付与
  • 世界規模のデジタル資産取引の自由化
  • Uniswapの使命:
  • インターネットの価値交換層構築
  • 国境を越えた自由な取引の実現
  • DAOの理想的な姿:
  • 技術プラットフォームを超えた存在
  • アクセス可能で安価/無料の公共財

6. AIとDAOの今後の発展

  • AIの影響:
  • 労働市場の変革
  • 価値提供方法の再考
  • AIによるDAO運営改善の可能性:
  • スパムや無意味な投稿の削減
  • 議論の要約と重要ポイントの抽出
  • 意思決定プロセスの効率化

以上より、DAOは従来の組織構造を刷新し、より透明で公平な社会システムを構築する可能性を秘めていることがわかります。また、AIとの融合により、さらなる発展が期待できそうです。

詳細は以下の動画を参照ください:

◾️⛩Session2⛩ The Scope of DAOs as Public Goods (公共財としてのDAOの範囲)

1)パネリスト

  • Austin Griffith: Build Guildの創設者であり、DAOとして開発者を支援するためのマルチシグ(マルチサイン)を運営。オープンソースのプロジェクトに焦点を当てている。
  • Anna (役職は不明): MakerDAOとCelo Foundationで活動し、エコシステム、コミュニティ、教育のためのグラントを担当。オープンコールを通じてDAOに貢献し始め、現在はデブレル(開発者関係)としてハッカソンのサポートを行う。
  • Eduardo: ENS(Ethereum Name Service)でパブリックグッズ(公共財)のスチュワードとして活動。コミュニティ選挙で選出され、過去4年間パブリックグッズに関わってきた。
  • Orin: Gnosis GuildとClearfundで活動。Gnosis GuildではオープンソースのDAOツールを開発し、Clearfundでは公共財のための資金分配プロトコルを担当。

2)司会者の質問と参加者の回答の要約:

参加者の紹介と役割:

  • Austin Griffith: Build Guildの創設者であり、DAOとして開発者を支援するためのマルチシグ(マルチサイン)を運営。オープンソースのプロジェクトに焦点を当てている。
  • Anna (役職は不明): MakerDAOとCelo Foundationで活動し、エコシステム、コミュニティ、教育のためのグラントを担当。オープンコールを通じてDAOに貢献し始め、現在はデブレル(開発者関係)としてハッカソンのサポートを行う。
  • Eduardo: ENS(Ethereum Name Service)でパブリックグッズ(公共財)のスチュワードとして活動。コミュニティ選挙で選出され、過去4年間パブリックグッズに関わってきた。
  • Orin: Gnosis GuildとClearfundで活動。Gnosis GuildではオープンソースのDAOツールを開発し、Clearfundでは公共財のための資金分配プロトコルを担当。

司会者の質問と参加者の回答の要約:

  1. なぜ公共財に貢献するようになったのか(Austin, Anna, Eduardo, Orin):
  • Austin: オープンソースに触れたことで、クローズドソースからオープンソースへの移行が公共財としての価値に目覚めたきっかけとなった。
  • Anna: オープンで許可のいらない貢献が可能なDAOの文化に惹かれ、興味を持つようになった。これにより、テクノロジーがどのように仕事の性質を変えるかに興味を持った。
  • Eduardo: バルセロナでのプロジェクトを通じて、Ethereumの価値観を持った中央集権化された公共庭園に参加したことが公共財への関心を引き起こした。
  • Orin: Linuxとオープンソースの精神に共鳴し、Ethereumと暗号通貨の発見がその意識をさらに高めた。

2. 公共財のインセンティブとメンテナンスの課題(Austin, Eduardo):

  • Austin: オープンソースに加えて、インセンティブ層を追加することが重要であり、特に開発者に対する収益分配の仕組みが必要だと述べた。
  • Eduardo: 現実世界では公共財の維持は政府が行うが、Web3ではそれを個人が担うため、インセンティブの重要性が増すと指摘。また、公共財のブランディングの課題にも言及。

3. 公共財の定義とその理解(Anna, Austin, Orin):

  • Anna: 公共財は他者に利益をもたらすものであり、技術的な定義よりも直感的な理解が重要だと述べた。
  • Austin: ソフトウェアの例を挙げ、オープンソースで公開されたソフトウェアが公共財として機能することを説明。
  • Orin: 公共財は特定の文脈に依存しており、あるグループにとっては公共財であるものが、他のグループにはそうでないこともあると指摘。

4. DAOが公共財に貢献する方法(Eduardo, Austin, Anna):

  • Eduardo: DAOは特定のコミュニティやリソースに集中し、価値の調整やコミュニティ形成を支援する役割を果たす。
  • Austin: 自身のBuild Guildが公共財を支援するための資金提供を行っている例を挙げ、DAOがどのように資金を分配しているかを説明。
  • Anna: ENS DAOの運営構造について言及し、DAOがどのようにして資金を管理し、コミュニティがどのように関与するかを説明。

5. 公共財への貢献者の選定(Orin, Eduardo, Anna):

  • Orin: 資金配分の候補者選定は難しく、多くのメカニズムが考えられるが、一般的には選ばれたメンバーが選定を行うことが多いと述べた。
  • Eduardo: 公共財の効果を測定するための基準として、影響の度合いや透明性、計画性などが重要だと述べ、これが普遍的な評価基準になり得ると提案。
  • Anna: 公共財の資金提供は時間がかかり、管理が複雑であるため、DAOがより迅速に資金を分配できる仕組みを構築することが重要だと述べた。

6. DAOとグラントシステムの運営における課題(Anna, Eduardo):

  • Anna: 公共財への資金提供は難しく、特にグラントの配布に時間がかかることが課題であり、DAOが迅速かつ効率的に資金を分配する方法を模索している。
  • Eduardo: ENS DAOでは、小規模なグラントを提供し、地域のコミュニティに資金を提供することで、公共財の効果を実感できると述べた。

7. お気に入りのグラントメカニズム(Orin, Eduardo):

  • Orin: Nouns DAOのゆっくりとしたトークンの発行と、それに伴うガバナンスの拡大が、経済的攻撃を防ぎつつ、コミットメントを促進するモデルとして優れていると述べた。
  • Eduardo: Nouns DAOが文化を継承しながらグラントを提供する点が特に魅力的であり、パナマDAOの例を挙げて、その影響力について説明。
  1. アジアからの貢献者を増やす方法(Austin, Anna, Orin):
  • Austin: 公共財のシステムをフォーク可能でアグノスティックにすることが重要であり、特にグローバルにアクセスできるようにする必要があると述べた。
  • Anna: アジアからの貢献者を増やすためには、認知度を高め、教育を強化し、地域の文化に合わせた方法でアプローチすることが重要だと述べた。
  • Orin: 包括的でオープンなコミュニティを維持し、イベントを通じて新しい貢献者を歓迎することが大切だと述べた。

このセッションでは、参加者が公共財としてのDAOの役割や課題について幅広く議論しました。特に、公共財の維持や資金提供の難しさ、そして新しい貢献者をどのように迎え入れるかについて深い洞察が共有されました。

詳細は以下の動画を参照ください:

◾️⛩Session3⛩ Collaborative Approaches within the DAO Ecosystem (DAOエコシステム内の協力的アプローチ)

1)パネリスト

  1. Sujin King – モデレーター
  • DAOの構築とコラボレーションに関する経験を持つ。フラクタムベンチャーズの関連DAOであるボーダルサポートのメンバーであり、DAO Tokyoイベントのホストでもある。

2. Tu – StableLabの共同創設者

  • MakerDAOのコミッティメンバーでもある。20以上のプロトコルでガバナンスの支援を行っており、DAO運営に関する豊富な知識と経験を持つ。

3. Kavya – Lumos Labsの創設者

  • インド出身で、Web3開発者のための機会創出を支援している。ハッカソンやアクセラレーターを運営し、最近はDAOへの移行を目指したプロダクト開発を進めている。

4. Leah – Aragonのコンテンツストラテジスト

  • Aragonでのコミュニケーションやコラボレーションの責任者。Aragonの新しい技術スタックや教育ポータルを通じてDAOの構築とガバナンスを支援している。

5. Martin – Qプロトコルのメンバー

  • Qプロトコルは、他のプロトコルやDAOが利用できるガバナンスレイヤーを提供するレイヤー1ブロックチェーン。DAOの法的および規制の明確化を支援している。

2)司会者の質問と参加者の回答の要約:

1. DAOコラボレーションの定義と重要な要素

  • Tu: DAOコラボレーションには信頼、透明性、そしてアカウンタビリティが不可欠だと指摘。DAOはスマートコントラクトに基づくべきだが、実際には人間同士の信頼が重要であると述べ、透明性が信頼を高める鍵だと強調。
  • Kavya: 透明性とプライバシーのバランスが重要で、特に透明性がもたらす対立に対処する方法が必要だと述べる。また、インセンティブの正しい設計もコラボレーションを成功させるために不可欠と強調。
  • Leah: ガバナンス、実行、コミュニケーションがDAOの成功に重要であると述べ、Aragonの例を挙げて、ガバナンスフレームワークの構築とその実行方法について説明。
  • Martin: 明確なビジョン、役割と責任、そして法的および規制の明確さがDAOの成功に必要だと述べ、特に大規模なDAOにおいては法的なリスク管理が重要だと指摘。

2. DAOと伝統的な大規模組織の違い

  • Tu: DAOは非効率であることが多く、特に意思決定が複雑になりがちであると述べる。伝統的な組織は意思決定が迅速である一方、DAOは透明性とフェアネスを重視するため、時間がかかると指摘。

3. DAOコラボレーションにおける課題と解決策

  • Tu: 不信感、協調失敗、そしてセキュリティが主な課題であり、これらを解決するためには透明性と一貫性のあるガバナンスが必要だと述べる。
  • Kavya: 教育とインフラの向上が必要であり、特にスケーラビリティとセキュリティがDAOの成長において重要だと指摘。
  • Leah: 実験と適応がDAOの未来を切り開く鍵であり、Aragonの技術スタックがその課題を解決するための手段であると述べる。
  • Martin: ガバナンスにはルールセット、紛争解決、そしてそのルールを強制する手段が必要であり、これらがないとDAOは成功しないと述べる。

4. DAOを構築する際の推奨事項

  • Tu: DAOを構築する前に本当にそれが必要かを慎重に考えるべきであると述べる。資金調達の手段としてDAOを利用するだけでは成功しないと警告。
  • Kavya: 重要な決定が必要な場合には、DAOではなく中央集権的なシステムが適している場合もあると述べる。
  • Leah: DAOをシンプルに始め、進化させることを推奨。教育リソースやDAOビルダーコミュニティを活用することを提案。
  • Martin: スマートコントラクトがカバーできる部分とカバーできない部分を理解し、その限界を超える手段を考えるべきだと述べる。

このセッションでは、DAOの構築と運営における課題や、成功に必要な要素について各参加者が異なる視点から議論されました。特に、DAOの透明性や法的リスク、教育とインフラの重要性が強調されています。

詳細は以下の動画を参照ください:

◾️まとめ

この記事では、アジア最大級のDAO(分散型自律組織)に特化したグローバルイベントDAO TOKYO2023のセッションの中から3つについて、パネリストとセッションの内容の要点をまとめました。

参考になれば嬉しいです。

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